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慶応・細谷雄一教授のびっくり沖縄発言その ➁ ~ ネトウヨソースに関する細谷教授の「深刻な問題」

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さて、⑴ 沖縄の新聞に中国政府が資金提供、および、⑵ 中国が大きな予算を使って沖縄で対日世論工作をしている、などという発言で、最近、にわかに

 

慶応大細谷雄一教授の沖縄論がネトーヨ知で構築されているのではないかという疑惑が浮上。

         ⇩ 

第一弾、慶応大・細谷雄一教授が語る「よく知られた事実」とは ???

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慶応大・細谷雄一教授が語る「よく知られた事実」とは - 中国が大きな予算で沖縄の対日世論工作を展開の陰謀論、ちゃんと根拠のファクトだしてくれるよね !? - ご近所のネトウヨさん

 

で、16日、細谷教授のブログが更新されており、かなり気合の入った長文で味わい深い文章だということで、こちらも読んでみましたよ。

 

8月16日細谷雄一ブログ「中国の影響力工作という深刻な問題」から引用

しかしながら、他方で、私の上記のような発言部分が、英語でインタビューを行ったために、私の英語力の不足により、うまくその意図がつたわらなかったのかもしれません。スチュワート氏は、次のように記しています。

 

“China is using indirect methods to influence Japan. There’s a covert route like influencing Okinawa movements through financing and influencing Okinawan newspapers to push for Okinawan independence and remove U.S. forces there,” Yuichi Hosoya of Keio told us. “That’s indirect strategy. It’s sharp power. We also can see sharp power in Japan such as cyberattacks.”

[ブログ主・意訳] 慶応大学の細谷雄一は、「中国は日本に影響を与えるために間接的な方法を使用しています。沖縄の独立を推進し、米軍を排除するために、資金調達を通し沖縄の新聞に影響力を行使するような秘匿ルートがあります」と我々に語った。「それは間接的な戦略であり、シャープ・パワーを持ちます。また、日本へのサイバー攻撃などにも、そうしたシャープ・パワーがあります」と我々に語った。

 

"Indirect methods"を用いた"sharp power"を行使しているので、なかなか中国の活動は日本国内では見えにくいということだと思うのですが、この文章の中のfinancing and influencing Okinawan newspapersというところが、一部の日本の保守系メディアなどでも取り上げられてしまいました。というのも、以前から沖縄の新聞社には中国のお金が流れているのではないか、という疑念を指摘していたからです。私は、そのような事実があるとは思っておりませんし、確認もしていません。それはdirect methodであり、そのような事実があればスキャンダルとなり、大問題として警察庁公安調査庁もだまっていないはずです。あくまでも見えにくい「間接的な戦略」であることから、「シャープ・パワー」であると考えています。また、「大きな予算を用いて」というところや、上記のような沖縄独立を志向する団体と中国共産党の幹部に一定の交流が見られるというところが、おそらくはうまく伝わらず、あたかも中国のお金が直接、沖縄の新聞に流れているというような印象を与える英語になってしまったのだろうと思います。自らの英語の表現力の不足を、あらためて後悔しています。

細谷雄一の研究室から:中国の影響力工作という深刻な問題

 

下線の文章だと、逆に「中国のお金が間接的に、沖縄の新聞に流れている」という印象を与えているのだが、

 

さて、細谷氏の言うように、彼の今回の沖縄発言は、単に「英語力の不足」が招いた「誤解」なのだろうか。引き続き、時間もないので簡単に検証していきたい。

 

まず彼は、そのブログ記事で、またも懲りずにこう記している。

 

2018年には、スタンフォード大学にあるフーバー研究所で、中国の「影響力工作」に注目をした報告書が刊行されて、中国のそのようなオペレーションが、日本、とりわけ沖縄に深く浸透している様子が論じられていますLarry Diamond and Orville Schell (eds.), Chinese Influence & American Interests: Promoting Constructive Vigilance, Hoover Institution Press, 2018

8月16日細谷雄一ブログ「中国の影響力工作という深刻な問題」

 

ほー、というわけで、上の報告書に中国の影響力工作が沖縄に深く浸透している様子について、どのように論じられているのか、実際に見てみたよ。

 

で、オドロキなのは、

 

この報告書には、中国政府が「影響力工作」で「沖縄に深く浸透している様子」など、

 

ひとつも書かれていない ! ということだ。

 

フーバー研究所「中国の影響力とアメリカの国益 ~ 警戒態勢を促すために」 

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Larry Diamond and Orville Schell (eds.), Chinese Influence & American Interests: Promoting Constructive Vigilance, Hoover Institution Press, 2018

 

まあ、暇だったら全文読んでもいいかもしれないが、この200ページもある報告書の中で、沖縄について論じてあるのは、わずかたった1ページだけ

 

しかも単独の章ですらなく、巻末の Appendix 2 (補遺二) の日本の項目のごく一部であり、ほとんどが尖閣諸島領有権問題についてであり、こうした領有権を主張する活動家の拠点となっているのが香港だ、と伝え、また、検索しても出てこないような、香港拠点の微小なサイト " Organizing Committee for the Ryukyus" を紹介してある。

 

いったいこのどこが、中国の影響力工作が沖縄に深く浸透している様子、なのだろうか。

 

しかも、この報告書自体が、「その琉球列島を回復するための香港拠点のキャンペーン活動は、いかなる明らかな、あるいは一貫した北京 (=中国政府) の支持も勝ち得ていない」と書いている。

 

It is worth noting, also, that the Hong Kong-based campaign to regain the Ryukyus has not won any overt or consistent support from Beijing. (p. 167) Chinese Influence & American Interests

 

つまり、この香港拠点の、小さな小さな謎サイトレベルの " Organizing Committee for the Ryukyus" は、中国政府とは全く関係ないということをこの報告書自体が示唆している。なんじゃこりゃ !

 

いったいこの泡沫な組織は何なのか、脚注は更に我々にこの「組織」に関しての何らかの手掛かりを与えてくれるだろう。

 

Hong Kong has long been a base for flag-waving Chinese activists agitating on the issue of the Senkaku/Diaoyu islands. “The Chinese race does not fight wars. The Chinese race only safeguards peace!” runs one pronouncement which was designed as an outreach to potential supporters on Okinawa. “The Chinese race is relying on you. The Chinese race today relies on you, and the Chinese race can rely on you.”6  (p. 168)

6) 中華民族琉球特別自治区」の正体は . . . 中国共産党中央統一戦線工作部,” Japan+, November 10, 2015, accessed October 11, 2018, http://japan-plus.net/952.

 

って、おい !!!

この「中華民族琉球特別自治区」の正体は「中国共産党中央統一戦線工作部」だ、と主張する出典は、それ、Japan-plus つまり 幸福の科学のサイト だ !!!

 

この Japan-plus とは、

 

 

しかも、「中華民族琉球特別自治区援助準備委員会」なる団体を検索すれば、まずこの Japan+plus 幸福実現党サイトと、さらに幸福の科学ファミリー仲村覚の「日本沖縄政策研究フォーラム」がでてくる。本体はどこかに消えたのか !?

 

これはいったいどういうことだろうか。「中華民族琉球特別自治区援助準備委員会」なるサイトは、沖縄ではなく、日本のネトーヨ・クラスタに大きな「影響力」を持っているということではないのか。

 

この「中華民族琉球特別自治区援助準備委員会」が、幸福の科学というカルト右翼の仕組んだ自作自演の陽動団体であるという可能性も捨てきれない一方、

 

中国共産党がこの団体の背後にいる可能性はほとんどない。そうフーバー研究所の報告書にも記載されており、また字体から、中国大陸系でなく、華僑系であろうといわれている。

 

香港の謎サイトについての、たった一ページの飛沫のような記述をもって、細谷教授は、

 

中国の「影響力工作」に注目をした報告書が刊行されて、中国のそのようなオペレーションが、日本、とりわけ沖縄に深く浸透している様子が論じられています。

細谷雄一の研究室から:中国の影響力工作という深刻な問題

 

と書いているのである。

 

細谷教授は、ブログにおいて「自己の英語の表現力の不足をあらためて後悔」していると書いているが、

 

表現力以前に、報告書の英語をちゃんと読解したうえでソースとして示しているのだろうか。

 

国際政治の研究者だという彼が、200ページの報告書で、Okinawa の言及はわずか数カ所、しかも泡沫な香港拠点の謎サイトに関しての、わずか1ページ強の英文が読めないわけはない。

 

むしろ、細谷教授が「中国の影響力工作という深刻な問題」を語る以前に、研究者として、ソースの扱い方に深刻な問題があるのではないか、

 

・・・としか思えないだろ。

 

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細谷氏は、沖縄の新聞や民意への「中国の影響力工作」をなんとか既成事実として工面したいようだが、そのエビデンスはことごとくネトウヨ・ソースによって彩られている。

 

 

ネトウヨソースで、陰謀論と排外主義に固執し、隣国との文化交流を排除するより、政治学者なら、中国企業が日本で幅広く政治工作をしていたという汚職ファクトの方に目を向けたらどうだろうか。

 

もし、彼が本当に中国の影響力工作について論じたいなら、むしろ Devin Stewart 氏も追及している (p. 16) ように、自民党二階派の秋元司らや元・防衛大臣岩屋毅が500.com から収賄を受けていた政界工作「中国の影響力と日本の汚職」の件、あるいは、

 

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中国カジノのカネ、もらってた疑惑の5人とは、すごいな岩屋毅前防衛相まで ~ 自民党と中国カジノ癒着問題、続々と - Osprey Fuan Club

 

また、上の収賄で逮捕された紺野昌彦が理事を務め、自民党の件知事候補であった佐喜真淳をはじめ、宜保春毅、松本哲治、国場幸之助、古謝景春、そしてあの笹川財団の笹川能孝らが名を連ねる 一般社団法人 沖縄県日中友好協会のステルスな活動とステルスな公式ホームページに注目したらどうだろうか。

 

uyouyomuseum.hatenadiary.jp

 

むしろ、事実は、沖縄の新聞ではない、自民党の「内部」で、中国資金による汚職疑惑が蔓延しているということだ。

 

沖縄の新聞社から名誉棄損で訴えられてもおかしくないデマ発言を繰り返しているにもかかわらず、

 

そのような、私の英語力の不足からくる英語インタビューでの上記のような文章について、沖縄タイムズで記事となると、SNSなどで私に対する誹謗中傷が今広がっています。その発信源は、屋良朝博衆議院議員です。

8月16日細谷雄一ブログ「中国の影響力工作という深刻な問題」

 

などと、批判を誹謗中傷とすり替え、またその発信源を屋良議員だとすり替える吹き飯な責任転嫁は、あまりに幼稚で、小学生なみというものだ。

 

もう一度たずねたい。

 

中国の「影響力工作」が、「とりわけ沖縄に深く浸透している」という、その証拠をお示しください。

 

けっして、ほとんどの沖縄県民がその存在さえ知らぬ Global Times の、しかもオピニオン記事ひとつで「影響力」とか言いださないでください。

 

慶応の政治学者の矜持でもって、アカデミックに裏書された貴方の沖縄に関する「よく知られたファクト」とやらをお示しください。

 

細谷教授、

可及的速やかにお願いします !

 

まともなソースを示してください。

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追加メモ