教育勅語と竹田恒泰と教育委員会 ➍ 被爆者の語り部を「反日」と呼び「平和教育はもうやめたほうがいい」という竹田恒泰の講演会を支援する各地の教育委員会
さて、教育勅語と竹田恒泰と教育委員会のシリーズ、今回は都合上、シリーズ第三弾より先に第四弾をリリース。
- デマと誹謗中傷、被爆者を自称被爆者とかたる自称の竹田氏
- 被爆者を誹謗中傷する竹田氏の講演料は一時間いくらで契約されたのか?
- 日本の被爆者の声を聞くことが「反日教育」と主張する竹田氏
- 森口氏を反日プロ市民と決めつけ、散々なデマと誹謗中傷
- 日本中の教育委員会が「平和教育」よりも竹田の「愛国教育」に入れあげる
教育勅語さえあれば、
⇩ 発言動画はこちらから。
富山県朝日町の教員委員会 #竹田恒泰 さんを招いての「中高生向け講演会」には多数の抗議が寄せられました。
— うちなーあるある ネトウヨかるた (@trueokinawa2017) 2019年11月27日
教育委員会は、竹田さんの講演会を生徒に無理やり聴かせることに対し、多くの抗議が寄せられた理由を理解できていますか⁉#教育勅語 を教育現場に持ち込むのですか‼ pic.twitter.com/8mnjZwx51Y
富山県朝日町の教育委員会が主催し、中高一貫の教育事業として計画した竹田恒泰さんの教育講演会が地元から全国へと抗議の輪が広がり、中止になった件。
第三弾では、竹田さんが、なぜか「ガソリンをまく」と脅迫があったから中止になった、と時系列をごまかして強調している件について検証する。
中高生一貫の教育講演会が中止になったのを、竹田氏本人はガソリン脅迫のせいにしたいようですが、そもそも、朝日町中高生一貫の授業としての講演会は、既に7日に中止が決定されています。
11月10日の「ガソリンをまく」という脅迫で中止決定されたのは、別会場での一般人を対象にした講演会であり、中高生必修の教育講演会ではありません。
その前に、
今回の第四弾シリーズでは、
そもそも、なぜ、
根強い市民の反対の声にもかかわらず、
今どきの教育委員会が竹田恒泰の講演会を主催や後援したがるのか、という疑問に、少しずつ肉薄していきたい。
今月の10日にも!
今度は大阪市の教育委員会が竹田氏の講演会を後援する。市民の反対が寄せられたにもかかわらず、教育委員会は後援を取り消すことはなかった。その顛末はまたの機会に検証する。
五年前のニュースを皆さんは覚えているだろうか。
修学旅行で長崎を訪れた中学生が、被爆者である語り部の老人に「しにぞこない」だの「くそじじい」などという暴言を吐いた一件があった。
2014年6月8日00時17分
長崎原爆で被爆し、語り部として活動している森口貢(みつぎ)さん(77)=長崎市=が5月、修学旅行で同市を訪れた横浜市の公立中学校3年生の男子生徒5人から、「死に損ない」などと暴言を吐かれていたことが分かった。森口さんは学校に抗議し、校長が電話で謝罪した。被爆者団体は「生徒たちに学ぼうという気持ちが足りない」と嘆いている。
森口さんや学校によると、3年生119人が5月27日に長崎市を訪れ、森口さんが所属する「長崎の証言の会」の9人が班ごとに被爆遺構を案内した。
森口さんは10人ほどを爆心地から600メートルほどの山里小学校へ案内。話を始めようとした際、別行動をしていた男子生徒5人が近づき、「死に損ないのくそじじい」と大声を上げ、周りの生徒に向けて「笑え」「手をたたけ」などと言ったという。
森口さんは翌日、「多くの被爆者の方に申し訳なく、つらい時間でした」と記した手紙を校長に郵送。今月3日に学校へ電話すると、校長から「すみませんでした」と謝罪されたという。
校長は取材に、暴言の前に森口さんが、態度が悪い男子生徒1人に「出て行け」と言って叱った経緯があったと説明。「(暴言は)逆恨みをして言ったのだろうが、許される言葉ではなく反省を促したい」と話した。今後、生徒の感想文と校長の謝罪文を送るという。
森口さんは原爆投下後に長崎市中心部に入り、入市被爆をした。小学校教諭を退職後、1998年から被爆遺構の案内や講話をしている。現在は長崎の証言の会事務局長。森口さんは「こんな経験は初めて。被爆69年となり、戦争や原爆をひとごとと感じているのだろうか。本気で向き合ってもらえなかったことが悔しく、悲しい」と話した。
長崎原爆被災者協議会の山田拓民事務局長は「自ら学ぼうという気持ちが足りなかったのでは。事前学習を含めた学ぶ姿勢が大切」と話す。被災協は修学旅行生らに年間600回ほど証言活動をしている。集中しない生徒はいても、邪魔されたことはないという。
ただ、1997年には長崎市の被爆者の男性(当時65)が被爆体験の一人芝居の上演中、修学旅行の中学生からやじられたり、キャンディーを投げつけられたりするトラブルがあった。
今回の問題について男性の妻(79)は「やってしまった後が大切」と話す。男性のケースでは生徒数十人が謝りに来て、男性は「水に流そう。人の痛みの分かる人になって下さい」と応じた。その後、生徒たちの生活態度が改まったと聞き、救われたという。「生徒たちがしっかり反省し、気持ちを森口さんに伝えることが大切」と指摘した。(山本恭介、岡田将平)
しかし、このニュースで本当の意味でひどかったのは、実は被爆者の語り部に暴言を吐いた中学生ではない、
竹田恒泰という、いい年した大の大人
原爆について何も知らす、被爆者を「反日」と呼び、SNS に根拠ない誹謗中傷を書き込んだまま、削除も訂正も市内で放置するプロ右翼であった。
彼のツイートはひどく問題となり、ニュースにまでなってしまう。
さて、竹田氏のツイートと、そこにある悪質デマとヘイトについてみていこう。
長崎の修学旅行で横浜の中学生が語り部に「死に損ないの糞ジジイ」と暴言を吐いた。年寄りに暴言は良くない。だが語り部の森口貢氏は、被爆していないのに被爆者を自称して一時間一万円で生徒に被爆体験を語るふりをし、実際は反日思想を植え付ける話をしていた模様。平和教育はもうやめたほうがよい。
デマと誹謗中傷、被爆者を自称被爆者とかたる自称の竹田氏
〇 森口貢氏は被爆者である
まずこれでわかることは、竹田氏は愛国者を自称しながら、まったく核兵器というもの知らず、戦争も知らない。
長崎の原爆が投下した日に「始まり」、投下した日に「終わった」とでも考えているようである。
原爆投下以降の、まさに地獄が展開するその現場に足を踏み入れた者すべてが被ばく (入市被ばく) し、延々とその苦しみが続くということを、竹田という人物はまったく知らないのである。
被爆と被曝、
原爆投下後の街に立つというのはどういうことなのか。
竹田氏は、何も知らない。
まさに中学生の修学旅行からやり直した方がいい、という話だ。
被爆者を誹謗中傷する竹田氏の講演料は一時間いくらで契約されたのか?
さらに、被爆者の老人に対し「自称被爆者」と誹謗中傷したあげく、驚きなのが、「被爆者を自称して一時間一万円で生徒に被爆体験を語るふり」と、金額まで出してきたことである。
裏が取れた情報かどうかも定かでない金額情報をふりまわし、あたかも金儲けのように語るが、
とほうもない多くの時間を、ライフワークとして無償で子どもたちの未来の平和のために捧げてきた語り部たちに対し、とんでもない誹謗中傷である。
なぜか、
理由を明確に示そう。
古事記の時代に生きたわけでもなく、教育勅語の戦争時代を経験したわけでもなく、歴史研究で査読論文を書いているわけでもない竹田氏が語る講演料についての話だ。
ネトウヨ雑誌の投稿が「論文」という世界がネトウヨの証である。
極右文化人の講演料はかなり高額 (ぼったくり) 商売で、櫻井よしこ氏は120万ぐらいといわれるが、
竹田氏の場合はどうか。朝日町の教育委員会はどれほどの税金をつかって竹田氏を講演会に呼んだのか。
被爆者に「一時間一万円」が高いというなら、竹田氏はどれぐらいの講演料をもらっているのだろう。
それでも、籠池前理事長の口からは、そんな掌を返した極右文化人に対して恨み節は聞かれないのだが、一人だけ例外がいた。「明治天皇の玄孫」を自称する"皇居の方から来ました詐欺芸人"こと竹田恒泰氏だ。記事によると、籠池前理事長は菅野氏にこう語ったという。
「あの人、テレビに出てなんや我々の方が寄付をせびったみたいなこと言うてたやろ? おまけに、講演料が安いとまで言うてたやろ? なんでそんなこと言うんかいな?」
同記事によれば、籠池前理事長は2010~15年にかけて、竹田氏に講演を少なくとも3回、教職員研修などを複数回依頼したと証言。籠池前理事長によると「講演料は1回90万。研修は1回20万」だったという。だとすれば、桜井よしこ氏を上回るかなりのギャラを竹田氏は要求したことになる。
櫻井よしこ、竹田恒泰が森友学園からもらった金は? 籠池前理事長が極右文化人の「高額講演料」を暴露! (2017年6月10日) - エキサイトニュース
被爆者でもなく、研究者でもない、彼の講演が、もし被爆者より一円でも高額であるとすれば、まっとうな精神なら、とても恥ずかしくて公言できるものではない。
日本の被爆者の声を聞くことが「反日教育」と主張する竹田氏
平和教育は子どもに反日思想を植えつける、平和教育はもうやめた方がいい、と主張する竹田氏。
次のツイートも見てみよう。
先のツイートで被爆者であることを指摘されてのツイートだが、高額の講演料で生活する自分は棚に上げて、ほとんど報酬のない状態で語り部を続ける被爆者を批判する、この精神の汚さには、辟易させられる。
つまり竹田氏が一貫して何度も主張しているのは、
被爆者の声を聞くことは「反日教育」であり、そのような「平和学習」は必要ない、ということだった。
もう一度確認するが、森口氏が実際の被爆者であることすら知らなかった竹田氏が、森口氏の講演の内容を知っているわけもない。
ただ単に、長崎の被爆者の体験を聞く、というだけで「反日」認定しているのである。
日本の歴史、被爆者の体験を聞くだけで「反日」という、この、反愛国的な反知性は、いったいどこからやってきたのか。
そして極めつけはこれである。
森口氏を反日プロ市民と決めつけ、散々なデマと誹謗中傷
被爆者を根拠なきデマで中傷する竹田氏にどっと批判が殺到するので、自分でも森口氏についてネットで調べたのだろう。そして導かれた答えがこれだった。
森口貢と森口正彦、年齢も名前も違うというのに、もう何書いても許されると思っているのだろう・・・。
朝日新聞 2007年07月26日12時44分
長崎の被爆者ら5人、英で逮捕 人間の鎖に加わる英国スコットランドの海軍基地前で、同国の核兵器の更新に反対する運動に日本から参加していた長崎市の被爆者森口正彦さん(68)ら5人が25日夜(日本時間)、現地の警察当局に逮捕されたことが26日、わかった。森口さんは体調を崩し、すぐに釈放されたが、残る4人は身柄が拘束されているという。
森口さんを英国に送り出した核兵器廃絶地球市民長崎集会実行委員会に入った連絡でわかった。森口さんは、被爆体験の継承活動を手がける「長崎の証言の会」の運営委員。実行委によると、逮捕されたのは、森口さんのほか、福岡からの参加者3人、広島からの参加者1人とみられる。
英国では核弾頭を搭載できる潜水艦発射弾道ミサイル「トライデント」の更新が計画されており、
さて、どこに70歳の長崎県の森口貢さんがいるのかね。
そしてこれらの誹謗中傷三昧のツイートは、今も謝罪も訂正も削除もなく、投稿されたままだ。
今回、竹田氏は名誉棄損で一般市民と研究者を訴えると息巻いているが、その前に竹田氏の過去の問題ある発話の数々を徹底的にまとめあげた方がいいだろう。
さて、・・・
子どもたちが修学旅行で長崎や広島を訪れ、被爆者の話を聞くのは「反日」教育であり、そんな「平和教育」は、もうやめるべきだ、そう主張する竹田氏が、
戦争経験者や被爆者の話、平和教育の代わりに子どもたちに聞かせたい話というのは、どうやら、これだ。
日本中の教育委員会が「平和教育」よりも竹田の「愛国教育」に入れあげる
2019年11月13日、朝日町中高連携推進事業「教育講演会」特別公演
「日本はなぜ世界で一番人気があるのか」という、赤っ恥な自慰的妄想
愛する郷土のために、今私たちが考えなければいけないものは? 極右論陣を呼んで、愛する郷土のために生徒に講演会を後援する教育委員会って、もうこれ、戦前だよな。
もう、あげていけば、
きりがない。
いつのまに、日本の教育委員会は、平和教育を投げ捨て、竹田恒泰の薄っぺらな自慰的愛国教育を全面に押し出すようになったのだろうか。
気がつけば、日本中、津々浦々の教育委員会が、竹田恒泰の愛国ソフトウェアをバックアップするようになった、
日本の教育委員会は、
今や平和教育より、竹田の愛国教育。
その背景には、やはり地方議会と日本会議のぞっとするほどの連携がありました。
シリーズ第五弾は、
教育現場への浸透のため、竹田研究会を利用する日本会議の目論見に迫ってみたいと思う。